うつ病を治すための個人的方法

個人的経験からうつ病の効果的な治し方について解説していく。

運動について

うつ病を改善しようとする場合、適度な運動を日々の生活に取り入れることは、一般に考えられているよりもさらに効果的である。野生動物などを見ればわかるように、自然の産物としての人間の体は、日々一定量の活動をすることを前提として作られており、運動不足が種々の弊害をもたらすことは周知の事実である。運動不足が代謝の不活発を招き、肥満や糖尿病、心臓や循環器系の病気へと結びつくということは、日々メディアなどでも散々と取り上げられている。

 

身体活動・運動不足 | 生活習慣病とその予防 | 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会

 

しかし、適度な運動はまた、精神神経系の機能向上にも大きな役割を果たす。軽い競技スポーツなどを行った後の心地よい爽快感は、誰しもが経験したことがあるものであろう。運動によって筋肉を動かすことにより、全身の血液循環が改善されると同時に、大量に取り込まれた酸素が脳にも運ばれ、気分の高揚をもたらすのである。

 

さらに例のモノアミン仮説から見ても、適度な運動は理に適っている。セロトニン神経系はリズム運動によって活性化されるという声質を持っているからである。

セロトニンを増やすために。脳におけるセロトニン神経を活性化させるには | メディカルノート

よって、一日に10~30分ほどのリズム運動を行うだけで、わざわざ多くの危険な副作用を伴う処方薬などを用いずとも、ごく簡単にセロトニン神経を強化し、うつ病から抜け出すことが可能になるのである。

 

運動といっても様々な物があるだろうが、基本的に走り込みや機械を使った筋力鍛錬など、肉体を過度に酷使させるものはおすすめしない。競技で勝つために限界まで体を鍛えるというのならともかく、一般人が健康効果を享受する目的でそのような運動を行うことは、体を痛めるなどの弊害こそあれ、あまり実りある結果をもたらすわけではない。もっとも簡易でおすすめできるのは、やはり歩行運動であろう。ただ歩くだけなら特別な障害がない限りは誰でもできることであるし、体に過剰な負担をかけることもなく、また、費用も全くと言っていいほどかからない。

 

うつ病の予防に週1時間の運動 ウォーキングは気分を明るくする | ニュース | 糖尿病ネットワーク

 

より良い効果を得るためには、少しだけ普段よりも早く歩くことを心がけるとよいであろう。もしいま現在部屋から出ることもできず、まったく運動をしていないという方であれば、まずは一日に5~10分程度から始めて見るとよい。そして、一日やったらもう一日は休んでも良い。体力というのは少しずつ長期的な視点で刺激と休息を繰り返していくことでついていくものであるから、まずはできる限り始めの敷居は低く設定しておいて、慣れてきてから時間や距離を伸ばしていくとよいであろう。最終的には一日に30~40分ほどの運動を毎日続けられるようになれば十分である。

 

さらにできる限り午前中の太陽の下で歩くようにするとよいであろう。睡眠の改善の項でも述べたように、太陽光にもまたセロトニン神経系を賦活させる効能があるから、歩行運動との相乗効果を望むことができる。

 

 

さらにもう一つおすすめできるのは、自転車である。特にダイヤモンドフレームと変速機を使ったスポーツ用自転車は、驚くほど速度が出る上に、非常に軽く漕ぐことができ、かなり広範囲を無理なく移動することができる。自転車を漕ぐことを楽しんでいる内に50km、下手をすれば100kmを漕いでいたなどということも稀ではない。交通費を節約できる上に、様々な場所の景色を堪能しながら走ることができるので趣味としても楽しい。体に対する負担は走り込みはるかに軽いが運動強度は歩行よりも高く、無理なく続けられる運動として最適である。

 

初期投資としていくらか元手が必要になってしまうことが難点だが、物自体の耐久性に加えて、節約できる移動費や得られる健康増進効果を考えれば、十分過ぎるほどに元が取れると言えよう。さらに後述するように最近では自転車でそれなりの小遣いを稼ぐことも容易なので、時間さえあれば先行投資を遥かに超える分の収入をもたらすことも可能である。

  


 

 

いずれにせよ運動に関しては、自分が無理なく続けられるものを選び、それを今現在できる最低の強度から始めて、ある程度の長期間持続していくことか大切である。適切な運動を続けるならば、部屋の中に居続けて、わだかまっていた思考が以外にも簡単に解けていくのを体験することができるだろう。

 

食事の改善について7 食品添加物・加工食品その他

食品添加物・加工食品

 

現代の社会で広範に用いられている食品添加物もまた、自然界には存在しない物質であり、多くのものが人間の体に害を及ぼす可能性がある。食品添加物の使用はすでに当たり前のようなものになっていて、そうした食品を扱う企業はすでにそれなしでは商品を売り、利益を得ていくことができなくなっている。そして、危険な精神科領域の薬剤を売り込むときと同じように、徹底的な情報操作によって、あたかもそうした食品添加物に危険性がないかのように刷り込まれてしまう。

 

彼らはしばしば、「加工食品に含まれる程度の微量ならば健康に問題はない」だとか、「科学的な因果関係は証明されていない」などの、紋切型の文句で問題をごまかそうとする。通常の先進国ではすでに「予防原則」といって、危険性を予期できるものはあらかじめ排除する方向で決定がなされるのに対し、この国では一般市民の健康を犠牲にして、企業の利益を守るような野蛮な言説が当たり前のように許されてしまっているのだ。しかし、自分で自分の健康を守ろうとする人は、決してそのような言葉に耳を傾けてはならない。

 

PH調整剤やいわゆる「アミノ酸等」、安息酸ナトリウム、亜硝酸塩、ソルビン酸、着色料、保存料、などなど。一度手近で売られている加工食品の原材料表示を見てみれば、そこに使われている食品添加物の多さには驚くばかりである。これらの添加物は発がん性を始めとする危険な毒性を有するばかりでなく、神経系に対しても作用し、不必要な攻撃性や暴力性、感情の激化や不安感、焦燥感など、種々の精神症状を引き起こす恐れがある。

 

食品添加物の種類は多岐に渡るため、ここで一つ一つを記述することは控えるが、いずれにせよ、こうした不自然な添加物はできる限り摂取しないことが望ましいのは誰しもご納得いただけるだろう。

 

すでに日常のあらゆるところに溢れかえってしまっている食品添加物を避けるためには、食品を選ぶ側がもっと注意深くならなければいけない。具体的にはできる限り、既製の加工食品を避けることだ。食品添加物は主に調理済みの食品の保存性を高めたり、見栄えや食味を改良するために使われることが多いので、できる限り原材料を入手し、自分自身で調理するのが良い。実際にそうしたほうが食費も安価に済み、味も栄養価も優れた食事が摂れるため、良い事ずくめである。幸い現在ではあらゆる食品の調理法は、簡単にネット上で調べることができるし、料理を楽しめるようになれば、趣味も増え、うつ病の療養にも良い結果をもたらすだろう。

 

そしてもし加工食品をどうしても使用しなければならない場合は、よく裏面の原材料名を読むことだ。少しでも怪しい化学物質が含まれているならば、できる限りその食品には手を出さないのが望ましい。

 

・過剰な獣肉

人間は本来肉食動物ではなく、植物食が圧倒的に優勢な雑食動物であり、過剰な獣肉食は種々の問題を引き起こす。獣肉食の問題でもっとも最たるものは飽和脂肪酸である。人体内で代謝することができない動物性の飽和脂肪酸は、摂取を続けることで徐々に体内に蓄積され数々の弊害を引き起こす。肥満はそのものっとも目に見えやすい結果だろうが、他にも血管の詰まりからくる心臓病や脳梗塞の危険性なども飛躍的に高まる。

www.afpbb.com

このように動物性の飽和脂肪酸が人体にとって、有害であるという事実は、取りも直さず、獣肉食が人体にとって自然に逆らっているものである証拠であると言えよう。

 

さらに獣肉を摂取し続けることは、食物連鎖の上位に位置することになり、それに伴う生体濃縮の問題も避けて通ることができなくなってしまう。現在畜産の現場で用いられている海外の製の安い穀物は、大量の農薬や化学肥料によって栽培されている。家畜がそれを日々摂取することで、そうした毒性の化学物質は家畜の体内で飛躍的に濃度を高めることになる。さらに過剰に用いられる抗生物質その他の薬剤も相まって、一般に売られている食肉は高度に汚染されてしまっているのである。こうした汚染された食肉が長期に渡って人体の神経系に及ぼす悪影響は未知数であり、予防原則からも出来うる限り避けるのが望ましいと言えるだろう。

 

以上で、うつ病からの回復の基盤となる正しい食事法について述べた。もちろん今までに述べたことを完全に実践するには、これまで食事に対して意識したことのなかった人々にはかなりの忍耐や禁欲が必要になるであろう。こちらも睡眠の問題と同じく、最初からすべてを完璧にこなそうとする必要はない。あくまで努力目標を知った上で、少しずつ日常的に取り入れられるものから実践していくとよいであろう。そして少しずつでも習慣化していけば、その内に大した苦もなく実践を続けられるようになる。まずは毎日の食事の白米を発芽玄米に変えることから始めてみてはいかがだろうか。

食事の改善について6 食べるべきでないものー精白穀物のみの食事・その他

これは全粒穀物職と対をなすものであるが、精白穀物のみを主食とした場合には心身の健康上に様々な害が現れてくる。その主たる原因はやはり、本来の全粒穀物に含まれているはずの豊富な栄養素が、精白穀物にはごっそりと抜け落ちてしまっていることだ。特に脳の機能の正常化に深く関わっているビタミンB群が決定的に不足してしまっていることは、うつ病からの回復に大きな弊害となってしまう。

 

精白穀物のみの食事をとった場合、体内の血糖値は急激に上昇するが、それに伴って体を調節する役目を担うはずの微量物質が欠落するため、心筋梗塞脳梗塞など種々の病の危険性を飛躍的にあげる結果となってしまう。さらに体が本来摂取されるはずだった栄養素を他の食物から得ようとして、過剰な食欲を誘発する一因ともなってしまう。

 

しかし、私達は子供の頃から子供の頃から精白穀物のみの食事に慣らされてしまっている。白米のごはんだけではなく、うどんやらーめん、食パン、パスタなど、普通の生活をしていて口にするのは間違いなく、精白穀物ばかりなのである。よってこの習慣から抜け出すためには、それなりに意識をして日常生活を送る必要がある。できれば毎日朝食と夕食は玄米食にするなど、自分自身である程度の規則を作って習慣化していくのが良いだろう。

 

ただし、あくまでも精白穀物のみの食事がよくないのであって、適度に全粒穀物を取り入れた場合は、精白穀物にもそれなりの利用価値がある。何より消化によく、手頃なエネルギー源となるという特性はありがたいものである。発芽玄米食を毎日茶碗2杯、乾燥米にして150~200g程度摂っていれば、のこりの空腹を満たす分は精白穀物を利用しても問題はないだろう。

 

  • 過剰な油類

過剰な油が健康を害することは今では誰もが知っている事実であろう。自然界では希少である油類が過剰に体内に摂取されると、代謝されきれない分が体内の各所に脂肪として蓄積され、種々の疾病を巻き起こす。

 

油もまた、その立ち位置としては砂糖と似たものがある。極力なエネルギーの塊であるがゆえに、飢餓に備えるという自然の本能を持った人間に一時的な快楽をもたらし、ある種の依存症状を引き起こすのである。こうした特性から過剰な油分を持つ加工食品もまた、資本主義市場では定番の商品として扱われている。スナック菓子や弁当の中の惣菜、コンビニの店頭で気軽に売られている唐揚げやフライドチキン。一度小売店に足を踏み入れれば、食品売り場には数え切れないほどの油分によって加工された食品が見つかる。

 

よって過剰な脂分を避けるためには、まず出来うる限り出来合いの食品に手を出さず、自分自身で調理した食品のみを食べる習慣をつけるべきだろう。過剰な油分もまた、砂糖と同じく人間にとっては不必要なものなので、一度習慣として揚げ物などを摂取しないことを身に着けてしまえば、特段苦もなく健康的に毎日を送ることが可能になる。

 

  • 過剰な塩

過剰な塩分が高血圧の引き金となることはすでに常識の範囲である。精製された塩分もまた、人間の体にとっては不自然な物質であり治癒力を妨げる原因の一つとなる。特に塩分の過剰摂取の原因となるのは、やはり間食として多食してしまいがちなスナック菓子類だろう。こうした菓子類に手を付けることを止め、その代わり規則正しい時間に摂る三度の栄養的に配慮された食事で満腹を覚えることで、自然と塩分の過剰摂取を抑えることができるようになるだろう。

 

・カフェイン

こちらは睡眠の項で述べたので、再度詳述する必要はないだろう。もしどうしてもカフェイン類を摂りたいのならば、一日に一度、早朝に緑茶などの他の薬効が期待できるものから摂取するのが良い。

食事の改善について5 食べるべきでないものー砂糖

前回までに記したように、人間にとって最適な食事とは実は非常に単純で、しかも費用がかからないものである。元来、自然界に置いては飢餓にさらされる危険があるため、生物というのは本来の食性に適ったある一定程度の食物を摂取していれば、自ずと健康を保てるように作られているのだ。そして生物としての人間は相当程度に飢餓や栄養不足に対しても耐性を持っているため、基本的に毎日健康な食生活さえ心がけていれば、各々の栄養素のわずかな過不足はそこまで心配する必要もない。

 

しかし、不足に対して強力な適応能力を持っている人間の体も、過剰に関しては遥かに抵抗性が低い。人間が本来自然界で摂るべきでない物質を摂取し続けた場合、いとも簡単に健康の均衡が崩れてしまうことがある。よって、何を食べるべきなのかを知っておくのと同じかそれ以上に、何を食べるべきでないのか知っておくことは重要となってくる。そして以前にも書いたが、人間にとって不自然な食物は、必ずと言っていいほど、自然の理想的な均衡状態である健康を崩すということを心に刻んでほしい。

 

それでは具体的にどのような食物を避けるべきなのか見ていこう。

 

・砂糖

現代の食生活では、ありとあらゆる既製の加工食品に過剰過ぎる砂糖が使われている。その理由は唯一つ、前にも書いたが、砂糖が人間に一時的な麻薬的快楽を与え、依存性を持つため、資本主義社会における商品として理想的だからである。

 

誰もが日常的に大量に摂取している砂糖であるが、その実害は実はあまり多く知られていない。

 

砂糖とはすなわち高度に生成された糖質である。デンプンを始めとする糖分自体は人間の主要なエネルギー源であり、必要不可欠なものである。しかし、自然界に置いては、それが物質として純粋な状態で存在することはほぼなく、植物体を構成する様々な成分によって混雑し、希釈された状態でしか存在し得ない。人間の体自体もそのような自然界に存在する糖質の形状を消化するように作られている。そして、様々な複雑なとともに体内に入ってきた糖分を少しずつ脳が感知することによって暫時的に満足感を覚えるようにできているのだ。

 

しかし、精製された砂糖はそうではない。自然界には存在しえない混じりけのない純粋な糖分である砂糖を摂取すると、本来自然のでんぷん質に対して反応するはずの脳内回路が急激に刺激され、本来の自然な食事では感じることのない快楽を与えるのだ。そして脳は一度覚えた快楽を次から次へと欲しがり、気がついたときには砂糖を止めることができなくなってしまう。

 

ただ、それだけならまだ良いだろう。しかし、砂糖は人間の体にとって種々の毒性を持っている。血糖値の急激な上下動を引き起こすために2型糖尿病を患う危険性を飛躍的に高めることなどは、その代表例だろう。また、虫歯の直接的な原因となることは子供でも知っている事実である。虫歯を患うと現実問題として治療する方法はなく、歯を削りに削り続けて、いつかは自分の歯で噛むことができなくなる日を招く可能性も高いだろう。

 

こうしたよく知られた事実の他に、砂糖は体内で代謝される際に種々の人間にとって必要な栄養物質を奪っていくというものもある。特に人間の精神の安定に必要なビタミンB群やカルシウムを排出させてしまうことで、血糖値の急激な上下とともに、うつ病神経症を飛躍的に悪化させてしまうのだ。せっかく発芽玄米や大豆などでビタミンやミネラル分を豊富に摂取できたとしても、それが砂糖によって次々と排出されてしまえば、健康効果は望むべくもなくなってしまう。

 

さらに高血圧や肝臓、膵臓など種々の臓器の機能低下、血管の詰まり、心臓病や種々のがんに対する危険性増加、肌の老化など砂糖の害は挙げ始めれば限りがない。ここでうつ病を治そうと決心し、健康で賢い生活を贈ろうと思う人は出来うる限り砂糖を食生活から排除することを意識するべきであろう。

 

以下のWIkiの記事にもこの問題はよくまとまっているので参考にしてほしい。

 

砂糖 - Wikipedia

砂糖依存症 - Wikipedia

 

そして人間の体が安全に代謝できる砂糖の量は驚くほどに少ない。WHOが推奨している1日の砂糖消費の上限量は25g。市販の清涼飲料水に含まれているのは100mlあたり、11mgほど。ペットボトル半分以下の量でも危険水準だ。スーパーやコンビニなどで気軽に買える菓子パン類は一つで少なくとも30mg以上。砂糖などどこに使われているのかすらわからないような、スナック菓子類や弁当類などにも実は相当量含まれているから、よほど気をつけていないと砂糖の害から逃れることができないということがわかるだろう。

 

ここではっきりと断言しておくが、砂糖は人間の健康にとって全く必要のない物質である。野生動物を見てみればわかるように彼らは砂糖など摂らなくても非常に強健であるし、砂糖がなかった時代にも人間は十分に健康的に文明を営んでいたのだ。砂糖は麻薬やタバコや酒と同じである。依存を断ち切ってしまえば、心身の健康を取り戻すことができ、振り返ってなぜあのようなものを食べ続けていたのか疑問に思うようなものでしかない。

 

だが、原則としては砂糖を完全に断ってしまうのが望ましいとしても、現在まで砂糖依存を続けてきた人にはそれが難しいものであるも十分理解している。この問題は他の精神科薬剤やタバコなどへの依存の問題と同じである。禁煙のときと同じように、適切な知識をもとに合理的に依存を断ち切っていくのが望ましいだろう。

 

結局一時的な快楽を与える物質への依存は自身の精神の不安定さが元になっていることが多い。うつ病患者ならばなおさらであろう。必要なのは、そのような外部の不利益にしかならないような物質で精神を諌める習慣をやめ、他の方法で自分の精神を制御することを学ぶことである。このためにはヨーガと瞑想法が絶大な効果を発揮するが、それはまた後で記述する。

 

今、日々の生活で砂糖を大量に摂っている方たちは、まず、普段何気なく消費している加工食品の成分表をよく見ることから始めてほしい。そして砂糖が含まれている食品を少しずつ生活から、締め出していくことだ。どうしても甘味から抜けられないというのなら、黒糖やはちみつなど、より精製度が低くビタミンやミネラルなどが混在している自然に近い甘味料を利用することから始めてみよう。そして、ヨーガや瞑想法の実践によって自制が高まってくれば、それに従い自然とそのような甘味料も必要がなくなってくることだろう。

 


 


 

食事の改善について4 副食

前回までの記事で、毎日食べ続けるべき主要な食物である全粒穀物と豆類について説明した。これら二つを日々の食生活の中心に据えるだけで栄養状態は驚くほど改善され、心身ともに少しずつ健康と安定を得ていくことができるようになるだろう。

 

しかしもちろん、これだけでは栄養的にはまだまだ不完全であり、全粒穀物と豆類で補いきれない栄養素は副食でまかなう必要がある。特に重要なのは穀物類には全く含まれていない、ビタミンAとビタミンCである。これらの栄養素は主に野菜や果物類に多く含まれるが、その内でももっとも栄養効果が高いのが、緑黄色野菜である。特に小松菜や菜の花といったアブラナ科の葉菜は、ほかの野菜類と比べても圧倒的な栄養の豊富さを誇っている。

 

小松菜

エネルギー 13 kcal
水分 94.1 g
たんぱく質 1.5 g
脂質 0.2 g
炭水化物 2.4 g

無機質

ナトリウム 15 mg
カリウム 500 mg
カルシウム 170 mg
マグネシウム 12 mg
リン 45 mg
鉄 2.8 mg
亜鉛 0.2 mg
銅 0.06 mg
マンガン 0.13 mg
ヨウ素 2 μg
セレン 1 μg
クロム 2 μg
モリブデン 10 μg

ビタミン


A レチノール (0) μg
カロテン α 0 μg
β 3100 μg
β−クリプトキサンチン 28 μg
β−カロテン当量 3100 μg
レチノール活性当量 260 μg
D (0) μg
E トコフェロール α 0.9 mg
β 0 mg
γ 0.1 mg
δ 0 mg
K 210 μg
B1 0.09 mg
B2 0.13 mg
ナイアシン 1.0 mg
ナイアシン当量 1.6 mg
B6 0.12 mg
B12 (0) μg
葉酸 110 μg
パントテン酸 0.32 mg
ビオチン 2.9 μg
C 39 mg

脂肪酸
飽和 0.02 g
一価不飽和 Tr g
多価不飽和 0.08 g
コレステロール (0) mg
単糖当量 0.3 g
食物繊維
水溶性 0.4 g
不溶性 1.5 g
総量 1.9 g

https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=06_06086_6

 

一日に二回、一回あたり50gほどのこうした緑黄色野菜を摂取するなら、全粒穀物・豆類とともに一日に必要な栄養素の95%は補うことができるだろう。世の中に健康効果を謳う高額な商品は多々あるが、実際に人間に必要な食事というのはこのように至極単純なものなのである。これならば、普段身の回りで購入できる普通の食品を利用するだけでよく、しかも至極安価に済むので、うつ病を治療しながら家計の助けにもなるという一石二鳥を実現できる。

 

イモ類

穀物以外のエネルギー源として有望なイモ類であるが、特筆すべきはビタミンC相当量含まれていることである。その量はさつまいもが100gあたり20mg、じゃがいもが100gあたり15mg、しかもデンプンに守られているため加熱によって損なわれにくく、料理に使用してもそのまま栄養を取り入れることができる。適度に日々の食事に取り入れるとよい。

 

  • 種子(ナッツ)類

ビタミンEやビタミンB群、ミネラル、不飽和脂肪酸に富み、適度に摂取することで血管機能などが改善され、脳にも良い影響がある。しかしあくまで脂肪の塊なので、とりすぎには注意が必要である。一日に20g程度に留めておくのが良いだろう。

 

  • 魚類

以上までに紹介した食品は基本的に植物性であるが、これだけでは人間に決定的に不足してしまう栄養素が一つだけある。ビタミンB12である。主に造血に関わり、不足することで悪性貧血を起こしてしまう恐れのある栄養素であるが、基本的には動物質の食品にしか含まれていない。やはり人間は雑食動物であって、ある程度の動物性食品を摂らなければ生きていけないことの証である。インドなどは菜食主義の国として有名であるが、それでもこのビタミンB12を取るためにかなりの量の牛、水牛、ヤギなどの乳製品をとる。

 

しかしこのビタミンB12の必要量は驚くほど少なく、一日の必要量にしてわずか2.4㎍に過ぎない。しかも体内である程度長期間蓄積される性質があるため、それほど毎日気を使って摂取する必要もなく、欠乏症は相当程度の長期間でしか起こらない。人間は雑食動物だと書いたが、他の多くの霊長類と同じく圧倒的に植物食が優勢であることの証である。

 

我々日本人としてはどのような動物性食品からこのビタミンB12を摂取するのが望ましいのだろうか。その答えはやはり魚類であろう。特に青魚には、大量のビタミンB12が含まれており、イワシなどは実質10g程度でも一日の必要量をまかなえてしまうほどである。よって、一日に一食50~100gほどの魚類を摂れば、それだけで栄養面では特に問題がないと言えよう。

 

しかも魚類には他の食品にはないもう一つの大きな利点がある。DHAEPAといった不飽和脂肪酸を多量に含んでいることである。誰でも名前くらいは聞いたことがあるであろうが、こうした魚類に含まれる脂肪酸は血液を浄化するとともに、脳の認知機能を向上させる働きを持っている。うつ病で全面的な機能低下を起こし、意欲や記憶力、集中力が停滞している状態を、普段から一定量の魚を食べることで改善することができるのである。日本に住んでいればほとんどの地域で新鮮な魚を手軽に安く手に入れることができるので、これを利用しない手はないだろう。

 

・乳製品

乳製品は巷で言われているほどに万能な完全食ではないが、カルシウムやビタミンB2の補給源としては有望である。特にヨーグルトは乳酸菌の力によって消化器系を始めとした種々の健康効果が期待できるので、積極的に取り入れておこう。ヨーグルトは牛乳の倍ほどの値段がするが、市販の牛乳に市販のヨーグルトを少々混ぜ込んで、トロ箱やダンボールの中で保温するだけで、簡単に自家製のものを作ることもできる。試してみるとよいだろう。

 

自家製ヨーグルトの作り方!牛乳から作る3つの方法を徹底解説◎ - macaroni

 

・わずかな量の鶏肉、獣肉

はっきり言ってしまえば、以上までに述べた食事法を守っていれば、これらは全く取る必要はない。私自身はすでに15年以上こうした食品を摂っていないが、全く体調を崩すこともないし、風邪すらもほとんどひかないほどである。しかし、どうしても食べたいという方には、そこまで禁欲的になることを強いるものではない。しかし、獣肉の取り過ぎには、常に飽和脂肪酸過多からくる種々の成人病の危険性がつきまとうことをよく認識し、できる限りその量を制限することが望ましい。具体的には週に1~2日、一回50~100gほどに留めておくのが良いだろう。

食事の改善について3 主食についてー続き

豆類

 

穀物と並んで人間の食生活の中で重要となるのが、この豆類である。穀物では補いきれないタンパク質とビタミン、ミネラル分を補給し、必要なエネルギーを供給する役割を担っている。全粒の穀物と豆類を組み合わせることで、肉食を行わずとも完璧なアミノ酸の均衡を達成することができ、人間が一日に必要とする栄養素の8割以上を賄うことができてしまうのである。

 

かつて日本では雑穀を混ぜた米と種々の大豆加工食品は、食卓の中心にあり、特に意図することがなくても日々の食生活の中でふんだんに豆類の豊富な栄養を享受することができた。しかし、現代の食生活では、ますます顧みられることがなくなってしまっている。それは食生活の欧米化により、以前豆類が占めていた位置が獣肉に取って代わられたせいだ。ここで問題となるのは、本来植物食を中心とした雑食動物である人間は、獣肉を完全に自己の栄養として利用することができず、特に大量に含まれる飽和脂肪酸が人体に蓄積されていくことで、数々の疾病を巻き起こすということである。なので、出来うる限り今まで獣肉でとっていたタンパク源を、より人体が有効活用しやすい植物性の豆類に置き換えていくことが重要である。

 

ここで豆類の中でもっとも代表的である大豆と、巷の栄養学では「完全栄養」だと名高い、卵や牛乳と比べてみよう。

 

大豆

 

エネルギー372kcal
水分12.4g
たんぱく質33.8g
アミノ酸組成によるたんぱく質32.9g
脂質19.7g
炭水化物29.5g

 

無機質

ナトリウム1mg
カリウム1900mg
カルシウム180mg
マグネシウム220mg
リン490mg
鉄6.8mg
亜鉛3.1mg
銅1.07mg
マンガン2.27mg
ヨウ素0μg
セレン5μg
クロム3μg
モリブデン350μg

 

ビタミン

Aレチノール(0)μg
カロテンα0μg
β 7μg|
β−クリプトキサンチン1μg
β−カロテン当量7μg
レチノール活性当量1μg
D (0)μg
Eトコフェロールα2.3mg
β0.9mg
γ13.0mg
δ8.6mg
K 18μg
B1 0.71mg
B2 0.26mg
ナイアシン2.0mg
ナイアシン当量10.0mg
B6 0.51mg
B12 (0)μg
葉酸260μg
パントテン酸1.36mg
ビオチン28.0μg
C 3mg

脂肪酸
飽和2.59g
一価不飽和4.80g
多価不飽和10.39g
コレステロールTrmg
単糖当量7.0g

食物繊維
水溶性1.5g不溶性16.4g総量21.5g

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鶏卵

エネルギー142kcal
水分75.0g
たんぱく質12.2g
アミノ酸組成によるたんぱく質11.3g
脂質10.2g
炭水化物0.4g

無機質
ナトリウム140mg
カリウム130mg
カルシウム46mg
マグネシウム10mg
リン170mg
鉄1.5mg
亜鉛1.1mg
銅0.05mg
マンガン0.02mg
ヨウ素33μg
セレン24μg
クロム0μg
モリブデン4μg

ビタミン

A レチノール210μg
カロテンαTrμgβ 1μg
β−クリプトキサンチン12μg
β−カロテン当量7μg
レチノール活性当量210μg
D 3.8μg

Eトコフェロールα1.3mg
β 0mgγ0.5mg
δ 0mg
K 12μg
B1 0.06mg
B2 0.37mg
ナイアシン0.1mg
ナイアシン当量(3.2)mg
B6 0.09mg
B12 1.1μg
葉酸 49μg
パントテン酸 1.16mg
ビオチン 24.0μg
C 0mg

脂肪酸

飽和3.12g
一価不飽和4.32g
多価不飽和1.43g
コレステロール370mg
単糖当量0.3g

食物繊維
水溶性 0g
|不溶性 0g
総量 0g

https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=12_12004_6

牛乳

エネルギー 61 kcal
水分 87.4 g
たんぱく質 3.3 g
アミノ酸組成によるたんぱく質 3.0 g
脂質 3.8 g
炭水化物 4.8 g
灰分 0.7 g

 

無機質

ナトリウム 41 mg
カリウム 150 mg
カルシウム 110 mg
マグネシウム 10 mg
リン 93 mg
鉄 0 mg
亜鉛 0.4 mg
銅 0.01 mg
マンガン Tr mg
ヨウ素 16 μg
セレン 3 μg
クロム 0 μg
モリブデン 4 μg

 

ビタミン

A レチノール 38 μg
カロテン α 0 μg
β 6 μg
β−クリプトキサンチン 0 μg
β−カロテン当量 6 μg
レチノール活性当量 38 μg
D 0.3 μg
E トコフェロール α 0.1 mg
β 0 mg
γ 0 mg
δ 0 mg
K 2 μg
B1 0.04 mg
B2 0.15 mg
ナイアシン 0.1 mg
ナイアシン当量 0.9 mg
B6 0.03 mg
B12 0.3 μg
葉酸 5 μg
パントテン酸 0.55 mg
ビオチン 1.8 μg
C 1 mg

脂肪酸

飽和 2.33 g
一価不飽和 0.87 g
多価不飽和 0.12 g
コレステロール 12 mg
単糖当量 4.7 g
食物繊維水溶性 0g
不溶性 0g
総量 (0) g

https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=13_13003_6

 

このようにして見てみると、大豆の栄養化がどれほど優れているかが如実にわかるだろう。ビタミン、ミネラルともに実は鶏卵や牛乳は大した量は含まれていないのに対し、大豆はほぼそれだけで一日の必要量に迫る勢いの栄養価を確保できてしまう。

 

さらにうつ病治療において注目すべきは、アミノ酸組成の優秀性である。特にセロトニンなどの脳内物質の原料となるトリプトファンが豊富に含まれており、なおかつ米に唯一足りないアミノ酸であるリジンまでが供給できる。植物性の食品であるにも関わらず、アミノ酸スコアは100で大豆に頼るだけでも、十分に日々の健康に必要なタンパク質を摂取することができてしまうのである。

 

しかも幸運なことに我々日本人はこの優れた食品である大豆の利用法に非常に長けている。大豆を加工し、美味しく、日々飽きることなく、そして健康的に利用する種々の方法が先人からすでに受け継がれているのだ。その中でも私がもっとも推したいのは、やはり納豆である。豆腐などと違って廃棄する部分がないため、大豆の栄養価を丸ごと摂取でき、毎日食べても飽きることはなく、しかも発酵によってビタミンKやビタミンB2など、元の大豆にはない栄養価までが加わる。さらに血管や消化系に対する種々の薬理作用まであり、脳の血流を改善することでうつ病治療にも非常に良い効果が期待できる、まさに我が国が世界に誇るべき完全かつ最強の健康食品であると言えよう。

 

納豆はスーパーなどでも安価に手に入るが、さらに主食の一部として毎日大量かつ安価に食べようと思うなら、自分で作ってしまうのが望ましい。実は納豆を自作する方法も至って簡単である。圧力鍋などで茹でた豆に、種菌として冷凍庫などで保存しておいた市販の納豆を数粒入れてかき混ぜ、あとは発泡スチロール製のトロ箱やダンボールなどで作った保温容器の中で一晩寝かせるだけである。あとは茹でた納豆自体の熱と発酵熱のおかげで、たとえ冬であろうとも勝手に発酵が進み納豆が出来上がる。

 

https://cookpad.com/recipe/5037193

 

大豆の価格は非常に安く、30kgで国産でも1万円弱、輸入物だと7000円を切るほどである。これだけでほぼ一人の一年分のタンパク源が確保できてしまうのだから、健康になると同時に家計の節約にもなり、一石二鳥である。

 

なお、大豆も保存の際は玄米と同じく、ZIPロックなどの密閉できる袋の中に小分けにして入れ、冷暗所に置いておくのが望ましい。

 

また、大豆の他におすすめの豆類としてレンズ豆がある。日本ではまだそこまで一般的ではないが、インドや中東、地中海地方では古くから用いられてきた豆類で、タンパク質の含有量こそ若干少ないものの、鉄分や亜鉛などのミネラル類では大豆をさらに上回る栄養価を持っている。

https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=04_04073_6

 

そしてなによりも、このレンズ豆は独特な風味があってとても美味しい上に、長い時間をかけて煮込む必要がないため、料理に使いやすいのだ。おすすめの料理はインドでは味噌汁のように好まれている「ダール」と呼ばれる豆のカレーか、トルコ風のトマトスープである。違いはカレー粉を入れるか入れないかくらいのものだが、どちらもそれぞれ独特の風味があって、飽きることなく食べ続けることができる。

南インドの定番 レンズ豆カレー(ダール) by クマラン 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが351万品

https://www.club.t-fal.co.jp/recipe/detail/335/

 

関東在住ならば、上野のダイマスなどの輸入豆屋、または西葛西や行徳にあるインド人経営の輸入食材屋などに行けば、カレー粉とともに驚くほど安い値段で手に入れることができる。ぜひ一度試してみてはいかがだろうか。

食事の改善について2 主食について

それでは人間の体に必要な栄養を満遍なく摂取し、心身の機能を健康な状態に保つためには具体的にどのような食事をしていったら良いのだろうか。実は基本的な食品の選び方をある程度押さえておけば、人間が必要とする食物は存外に単純で、高価な健康食品や奇をてらった過度の食事制限などは全く必要がない。そして幸運なことに、私たちが子供の頃から食べ慣れている日本食は国際的にも高く評価されるほど非常に健康的で理想的な食法に近く、それにある程度の変更を加えるだけで、無理なく長期間続けることができる完璧な食生活を実現できるのである。

 

穀物

 

まずいちばん始めに押さえておきたいのはやはり主食となる穀物である。穀物古今東西を問わず人類の主要な食物として認識され続けてきたもので、後述する豆類と合わせることで、基本的には一日に必要な栄養素の大半はこれで補えてしまう。

 

しかし注意しなければならないのは、現在一般的に利用されている精白済みの穀物では、穀物本来の豊富な栄養素を享受することができないということだ。精白した穀物は食味は良くなるものの、人間にとって重要なビタミンやミネラルの大半がなくなる。エネルギーの補給源としては効率的な部分もあるが、そればかりを食べていると栄養の欠乏状態を引き起こし、心身ともに健康を崩してしまう。江戸時代の都市部や明治初期の軍隊における脚気の流行の原因が白米食の普及であったことは、よく知られた事実である。

 

ここで、白米と玄米の栄養価の違いを見てみよう。

 

白米


エネルギー 342 kcal
水分 14.9g
たんぱく質 6.1 g
脂質 0.9g
炭水化物 77.6g
灰分 0.4 g
無機質
ナトリウム 1 mg
カリウム 89 mg
カルシウム 5 mg
マグネシウム 23 mg
リン 95 mg
鉄 0.8 mg
亜鉛 1.4 mg
銅 0.22 mg
マンガン 0.81 mg
ヨウ素 0 μg
セレン 2 μg
クロム 0 μg
モリブデン 69 μg
ビタミンA レチノール (0) μg
カロテン α 0 μg
β 0 μg
β−クリプトキサンチン 0 μg
β−カロテン当量 0 μg
レチノール活性当量 (0) μg
D (0) μg
E トコフェロール α 0.1 mg
β Tr mg
γ 0 mg
δ 0 mg
K 0 μg
B1 0.08 mg
B2 0.02 mg
ナイアシン 1.2 mg
ナイアシン当量 2.6 mg
B6 0.12 mg
B12 (0) μg
葉酸 12 μg
パントテン酸 0.66 mg
ビオチン 1.4 μgC (0) mg
脂肪酸飽和 0.29 g
一価不飽和 0.21 g
多価不飽和 0.31 g
コレステロール (0) mg
食物繊維水溶性 Tr g
不溶性 0.5 g


https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=01_01083_6

 

玄米

 

エネルギー 346 kcal
水分 14.9 g
たんぱく質 6.8 g
脂質 2.7 g
炭水化物 74.3 g
灰分 1.2 g
無機質ナトリウム 1 mg
カリウム 230 mg
カルシウム 9 mg
マグネシウム 110 mg
リン 290 mg
鉄 2.1 mg
亜鉛 1.8 mg
銅 0.27 mg
マンガン 2.06 mg
ヨウ素 Tr μg
セレン 3 μg
クロム 0 μg
モリブデン 65 μg


ビタミン

Aレチノール (0) μg
カロテン α 0 μg
β 1 μg
β−クリプトキサンチン 0 μg
β−カロテン当量 1 μg
レチノール活性当量 Tr μg
D (0) μg
E トコフェロール α 1.2 mg
β 0.1 mg
γ 0.1 mg
δ 0 mg
K (0) μg
B1 0.41 mg
B2 0.04 mg
ナイアシン 6.3 mg
ナイアシン当量 8.0 mg
B6 0.45 mg
B12 (0) μg
葉酸 27 μg
パントテン酸 1.37 mg
ビオチン 6.0 μg
C (0) mg
脂肪酸 飽和 0.62 g
一価不飽和 0.83 g
多価不飽和 0.90 g
コレステロール (0) mg
単糖当量 78.4 g


https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=01_01080_6

 

比較してみると、いかに精白穀物を常食するということが栄養価的に損をしているかということがよく分かるであろう。ビタミン・ミネラル双方において玄米は白米の数倍の栄養価を誇っているが、特に目を引くのはビタミンB群である。白米がB1 0.08 mg、B6 0.12 mgに対し、玄米はB1 0.41 mg、B6 0.45 mg。成人男性が一日に必要とする栄養素はB1、B6ともに1.4mgほどであるから、一日に茶碗二杯ほどの玄米を食べるだけでほぼ半分はまかなえる計算になる。

 

また、全粒粉の小麦と比べて玄米は入手もしやすく、製粉されていないため保存も効く。そしてなおかつアミノ酸の組成も良好である。人間に必要なアミノ酸がどれほど含まれているかを示すアミノ酸スコアは小麦が50に対して、玄米は82。わずかにリジンが足りないだけだが、これは大豆を併食することによって補える。

 

このように主食としてほぼ理想的に見える玄米であるが、一つ注意しなければならないのは、フィチン酸の存在だ。これは玄米の中に含まれている化合物の一種で、鉄や亜鉛と結合し体外に排出される性質を持つので、過剰に摂りすぎるとミネラル不足に陥ってしまう可能性がある。

 

このフィチン酸の害をなくすためには、発芽玄米を利用するのが良い。元々発芽玄米として売られている商品を購入すると非常に効果だが、家庭でも簡単に作ることができるので、玄米を常食する際はぜひ一手間かけて発芽させてから利用してほしい。

 作り方はネットで検索すればいくらでも出てくるであろうから、本記事では詳しい記述は省略する。以下のクックパッドのリンクなどは参考になるだろう。

☆超簡単!初めて作る『発芽玄米』の作り方 by JFKitchen 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが351万品

 

米食が健康に良いと知りながらも、多くの人が続けられない理由はその食味の悪さにあるのであろう。しかし、この予め2日程度水に漬けて置くというごく単純な方法を取るだけで、玄米の食味は驚くほど上昇し、毎日食べ続けても飽きることが少なくなる。さらに特筆すべきは、発芽玄米には多量のGABAが含まれているという事実である。抗不安薬として一般的なベンゾジアゼピン系の薬剤は脳内にあるこのGABA受容体に作用することで、不安を軽減すると言う触れ込みなのであるが、毎日主食を発芽玄米に変えるだけで何一つ危険性もなく、同じ効果を望めるのである。

 

白米と玄米では基本的に価格差はなく、ネットなどでまとめて購入すれば、家計の負担となることもないだろう。ここまで利点だらけの玄米食は、日頃の生活に導入しないほうが圧倒的に損であることは理解いただけるであろうか。

 

なお、玄米を保管する際にはできる限り冷蔵庫に入れ、入り切らない分はジップロックなどの外から空気が入らない袋に小分けにしたほうが良い。