うつ病を治すための個人的方法

個人的経験からうつ病の効果的な治し方について解説していく。

食事の改善について5 食べるべきでないものー砂糖

前回までに記したように、人間にとって最適な食事とは実は非常に単純で、しかも費用がかからないものである。元来、自然界に置いては飢餓にさらされる危険があるため、生物というのは本来の食性に適ったある一定程度の食物を摂取していれば、自ずと健康を保てるように作られているのだ。そして生物としての人間は相当程度に飢餓や栄養不足に対しても耐性を持っているため、基本的に毎日健康な食生活さえ心がけていれば、各々の栄養素のわずかな過不足はそこまで心配する必要もない。

 

しかし、不足に対して強力な適応能力を持っている人間の体も、過剰に関しては遥かに抵抗性が低い。人間が本来自然界で摂るべきでない物質を摂取し続けた場合、いとも簡単に健康の均衡が崩れてしまうことがある。よって、何を食べるべきなのかを知っておくのと同じかそれ以上に、何を食べるべきでないのか知っておくことは重要となってくる。そして以前にも書いたが、人間にとって不自然な食物は、必ずと言っていいほど、自然の理想的な均衡状態である健康を崩すということを心に刻んでほしい。

 

それでは具体的にどのような食物を避けるべきなのか見ていこう。

 

・砂糖

現代の食生活では、ありとあらゆる既製の加工食品に過剰過ぎる砂糖が使われている。その理由は唯一つ、前にも書いたが、砂糖が人間に一時的な麻薬的快楽を与え、依存性を持つため、資本主義社会における商品として理想的だからである。

 

誰もが日常的に大量に摂取している砂糖であるが、その実害は実はあまり多く知られていない。

 

砂糖とはすなわち高度に生成された糖質である。デンプンを始めとする糖分自体は人間の主要なエネルギー源であり、必要不可欠なものである。しかし、自然界に置いては、それが物質として純粋な状態で存在することはほぼなく、植物体を構成する様々な成分によって混雑し、希釈された状態でしか存在し得ない。人間の体自体もそのような自然界に存在する糖質の形状を消化するように作られている。そして、様々な複雑なとともに体内に入ってきた糖分を少しずつ脳が感知することによって暫時的に満足感を覚えるようにできているのだ。

 

しかし、精製された砂糖はそうではない。自然界には存在しえない混じりけのない純粋な糖分である砂糖を摂取すると、本来自然のでんぷん質に対して反応するはずの脳内回路が急激に刺激され、本来の自然な食事では感じることのない快楽を与えるのだ。そして脳は一度覚えた快楽を次から次へと欲しがり、気がついたときには砂糖を止めることができなくなってしまう。

 

ただ、それだけならまだ良いだろう。しかし、砂糖は人間の体にとって種々の毒性を持っている。血糖値の急激な上下動を引き起こすために2型糖尿病を患う危険性を飛躍的に高めることなどは、その代表例だろう。また、虫歯の直接的な原因となることは子供でも知っている事実である。虫歯を患うと現実問題として治療する方法はなく、歯を削りに削り続けて、いつかは自分の歯で噛むことができなくなる日を招く可能性も高いだろう。

 

こうしたよく知られた事実の他に、砂糖は体内で代謝される際に種々の人間にとって必要な栄養物質を奪っていくというものもある。特に人間の精神の安定に必要なビタミンB群やカルシウムを排出させてしまうことで、血糖値の急激な上下とともに、うつ病神経症を飛躍的に悪化させてしまうのだ。せっかく発芽玄米や大豆などでビタミンやミネラル分を豊富に摂取できたとしても、それが砂糖によって次々と排出されてしまえば、健康効果は望むべくもなくなってしまう。

 

さらに高血圧や肝臓、膵臓など種々の臓器の機能低下、血管の詰まり、心臓病や種々のがんに対する危険性増加、肌の老化など砂糖の害は挙げ始めれば限りがない。ここでうつ病を治そうと決心し、健康で賢い生活を贈ろうと思う人は出来うる限り砂糖を食生活から排除することを意識するべきであろう。

 

以下のWIkiの記事にもこの問題はよくまとまっているので参考にしてほしい。

 

砂糖 - Wikipedia

砂糖依存症 - Wikipedia

 

そして人間の体が安全に代謝できる砂糖の量は驚くほどに少ない。WHOが推奨している1日の砂糖消費の上限量は25g。市販の清涼飲料水に含まれているのは100mlあたり、11mgほど。ペットボトル半分以下の量でも危険水準だ。スーパーやコンビニなどで気軽に買える菓子パン類は一つで少なくとも30mg以上。砂糖などどこに使われているのかすらわからないような、スナック菓子類や弁当類などにも実は相当量含まれているから、よほど気をつけていないと砂糖の害から逃れることができないということがわかるだろう。

 

ここではっきりと断言しておくが、砂糖は人間の健康にとって全く必要のない物質である。野生動物を見てみればわかるように彼らは砂糖など摂らなくても非常に強健であるし、砂糖がなかった時代にも人間は十分に健康的に文明を営んでいたのだ。砂糖は麻薬やタバコや酒と同じである。依存を断ち切ってしまえば、心身の健康を取り戻すことができ、振り返ってなぜあのようなものを食べ続けていたのか疑問に思うようなものでしかない。

 

だが、原則としては砂糖を完全に断ってしまうのが望ましいとしても、現在まで砂糖依存を続けてきた人にはそれが難しいものであるも十分理解している。この問題は他の精神科薬剤やタバコなどへの依存の問題と同じである。禁煙のときと同じように、適切な知識をもとに合理的に依存を断ち切っていくのが望ましいだろう。

 

結局一時的な快楽を与える物質への依存は自身の精神の不安定さが元になっていることが多い。うつ病患者ならばなおさらであろう。必要なのは、そのような外部の不利益にしかならないような物質で精神を諌める習慣をやめ、他の方法で自分の精神を制御することを学ぶことである。このためにはヨーガと瞑想法が絶大な効果を発揮するが、それはまた後で記述する。

 

今、日々の生活で砂糖を大量に摂っている方たちは、まず、普段何気なく消費している加工食品の成分表をよく見ることから始めてほしい。そして砂糖が含まれている食品を少しずつ生活から、締め出していくことだ。どうしても甘味から抜けられないというのなら、黒糖やはちみつなど、より精製度が低くビタミンやミネラルなどが混在している自然に近い甘味料を利用することから始めてみよう。そして、ヨーガや瞑想法の実践によって自制が高まってくれば、それに従い自然とそのような甘味料も必要がなくなってくることだろう。