うつ病を治すための個人的方法

個人的経験からうつ病の効果的な治し方について解説していく。

食事の改善について3 主食についてー続き

豆類

 

穀物と並んで人間の食生活の中で重要となるのが、この豆類である。穀物では補いきれないタンパク質とビタミン、ミネラル分を補給し、必要なエネルギーを供給する役割を担っている。全粒の穀物と豆類を組み合わせることで、肉食を行わずとも完璧なアミノ酸の均衡を達成することができ、人間が一日に必要とする栄養素の8割以上を賄うことができてしまうのである。

 

かつて日本では雑穀を混ぜた米と種々の大豆加工食品は、食卓の中心にあり、特に意図することがなくても日々の食生活の中でふんだんに豆類の豊富な栄養を享受することができた。しかし、現代の食生活では、ますます顧みられることがなくなってしまっている。それは食生活の欧米化により、以前豆類が占めていた位置が獣肉に取って代わられたせいだ。ここで問題となるのは、本来植物食を中心とした雑食動物である人間は、獣肉を完全に自己の栄養として利用することができず、特に大量に含まれる飽和脂肪酸が人体に蓄積されていくことで、数々の疾病を巻き起こすということである。なので、出来うる限り今まで獣肉でとっていたタンパク源を、より人体が有効活用しやすい植物性の豆類に置き換えていくことが重要である。

 

ここで豆類の中でもっとも代表的である大豆と、巷の栄養学では「完全栄養」だと名高い、卵や牛乳と比べてみよう。

 

大豆

 

エネルギー372kcal
水分12.4g
たんぱく質33.8g
アミノ酸組成によるたんぱく質32.9g
脂質19.7g
炭水化物29.5g

 

無機質

ナトリウム1mg
カリウム1900mg
カルシウム180mg
マグネシウム220mg
リン490mg
鉄6.8mg
亜鉛3.1mg
銅1.07mg
マンガン2.27mg
ヨウ素0μg
セレン5μg
クロム3μg
モリブデン350μg

 

ビタミン

Aレチノール(0)μg
カロテンα0μg
β 7μg|
β−クリプトキサンチン1μg
β−カロテン当量7μg
レチノール活性当量1μg
D (0)μg
Eトコフェロールα2.3mg
β0.9mg
γ13.0mg
δ8.6mg
K 18μg
B1 0.71mg
B2 0.26mg
ナイアシン2.0mg
ナイアシン当量10.0mg
B6 0.51mg
B12 (0)μg
葉酸260μg
パントテン酸1.36mg
ビオチン28.0μg
C 3mg

脂肪酸
飽和2.59g
一価不飽和4.80g
多価不飽和10.39g
コレステロールTrmg
単糖当量7.0g

食物繊維
水溶性1.5g不溶性16.4g総量21.5g

https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=4_04023_7

 

鶏卵

エネルギー142kcal
水分75.0g
たんぱく質12.2g
アミノ酸組成によるたんぱく質11.3g
脂質10.2g
炭水化物0.4g

無機質
ナトリウム140mg
カリウム130mg
カルシウム46mg
マグネシウム10mg
リン170mg
鉄1.5mg
亜鉛1.1mg
銅0.05mg
マンガン0.02mg
ヨウ素33μg
セレン24μg
クロム0μg
モリブデン4μg

ビタミン

A レチノール210μg
カロテンαTrμgβ 1μg
β−クリプトキサンチン12μg
β−カロテン当量7μg
レチノール活性当量210μg
D 3.8μg

Eトコフェロールα1.3mg
β 0mgγ0.5mg
δ 0mg
K 12μg
B1 0.06mg
B2 0.37mg
ナイアシン0.1mg
ナイアシン当量(3.2)mg
B6 0.09mg
B12 1.1μg
葉酸 49μg
パントテン酸 1.16mg
ビオチン 24.0μg
C 0mg

脂肪酸

飽和3.12g
一価不飽和4.32g
多価不飽和1.43g
コレステロール370mg
単糖当量0.3g

食物繊維
水溶性 0g
|不溶性 0g
総量 0g

https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=12_12004_6

牛乳

エネルギー 61 kcal
水分 87.4 g
たんぱく質 3.3 g
アミノ酸組成によるたんぱく質 3.0 g
脂質 3.8 g
炭水化物 4.8 g
灰分 0.7 g

 

無機質

ナトリウム 41 mg
カリウム 150 mg
カルシウム 110 mg
マグネシウム 10 mg
リン 93 mg
鉄 0 mg
亜鉛 0.4 mg
銅 0.01 mg
マンガン Tr mg
ヨウ素 16 μg
セレン 3 μg
クロム 0 μg
モリブデン 4 μg

 

ビタミン

A レチノール 38 μg
カロテン α 0 μg
β 6 μg
β−クリプトキサンチン 0 μg
β−カロテン当量 6 μg
レチノール活性当量 38 μg
D 0.3 μg
E トコフェロール α 0.1 mg
β 0 mg
γ 0 mg
δ 0 mg
K 2 μg
B1 0.04 mg
B2 0.15 mg
ナイアシン 0.1 mg
ナイアシン当量 0.9 mg
B6 0.03 mg
B12 0.3 μg
葉酸 5 μg
パントテン酸 0.55 mg
ビオチン 1.8 μg
C 1 mg

脂肪酸

飽和 2.33 g
一価不飽和 0.87 g
多価不飽和 0.12 g
コレステロール 12 mg
単糖当量 4.7 g
食物繊維水溶性 0g
不溶性 0g
総量 (0) g

https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=13_13003_6

 

このようにして見てみると、大豆の栄養化がどれほど優れているかが如実にわかるだろう。ビタミン、ミネラルともに実は鶏卵や牛乳は大した量は含まれていないのに対し、大豆はほぼそれだけで一日の必要量に迫る勢いの栄養価を確保できてしまう。

 

さらにうつ病治療において注目すべきは、アミノ酸組成の優秀性である。特にセロトニンなどの脳内物質の原料となるトリプトファンが豊富に含まれており、なおかつ米に唯一足りないアミノ酸であるリジンまでが供給できる。植物性の食品であるにも関わらず、アミノ酸スコアは100で大豆に頼るだけでも、十分に日々の健康に必要なタンパク質を摂取することができてしまうのである。

 

しかも幸運なことに我々日本人はこの優れた食品である大豆の利用法に非常に長けている。大豆を加工し、美味しく、日々飽きることなく、そして健康的に利用する種々の方法が先人からすでに受け継がれているのだ。その中でも私がもっとも推したいのは、やはり納豆である。豆腐などと違って廃棄する部分がないため、大豆の栄養価を丸ごと摂取でき、毎日食べても飽きることはなく、しかも発酵によってビタミンKやビタミンB2など、元の大豆にはない栄養価までが加わる。さらに血管や消化系に対する種々の薬理作用まであり、脳の血流を改善することでうつ病治療にも非常に良い効果が期待できる、まさに我が国が世界に誇るべき完全かつ最強の健康食品であると言えよう。

 

納豆はスーパーなどでも安価に手に入るが、さらに主食の一部として毎日大量かつ安価に食べようと思うなら、自分で作ってしまうのが望ましい。実は納豆を自作する方法も至って簡単である。圧力鍋などで茹でた豆に、種菌として冷凍庫などで保存しておいた市販の納豆を数粒入れてかき混ぜ、あとは発泡スチロール製のトロ箱やダンボールなどで作った保温容器の中で一晩寝かせるだけである。あとは茹でた納豆自体の熱と発酵熱のおかげで、たとえ冬であろうとも勝手に発酵が進み納豆が出来上がる。

 

https://cookpad.com/recipe/5037193

 

大豆の価格は非常に安く、30kgで国産でも1万円弱、輸入物だと7000円を切るほどである。これだけでほぼ一人の一年分のタンパク源が確保できてしまうのだから、健康になると同時に家計の節約にもなり、一石二鳥である。

 

なお、大豆も保存の際は玄米と同じく、ZIPロックなどの密閉できる袋の中に小分けにして入れ、冷暗所に置いておくのが望ましい。

 

また、大豆の他におすすめの豆類としてレンズ豆がある。日本ではまだそこまで一般的ではないが、インドや中東、地中海地方では古くから用いられてきた豆類で、タンパク質の含有量こそ若干少ないものの、鉄分や亜鉛などのミネラル類では大豆をさらに上回る栄養価を持っている。

https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=04_04073_6

 

そしてなによりも、このレンズ豆は独特な風味があってとても美味しい上に、長い時間をかけて煮込む必要がないため、料理に使いやすいのだ。おすすめの料理はインドでは味噌汁のように好まれている「ダール」と呼ばれる豆のカレーか、トルコ風のトマトスープである。違いはカレー粉を入れるか入れないかくらいのものだが、どちらもそれぞれ独特の風味があって、飽きることなく食べ続けることができる。

南インドの定番 レンズ豆カレー(ダール) by クマラン 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが351万品

https://www.club.t-fal.co.jp/recipe/detail/335/

 

関東在住ならば、上野のダイマスなどの輸入豆屋、または西葛西や行徳にあるインド人経営の輸入食材屋などに行けば、カレー粉とともに驚くほど安い値段で手に入れることができる。ぜひ一度試してみてはいかがだろうか。