うつ病を治すための個人的方法

個人的経験からうつ病の効果的な治し方について解説していく。

運動について

うつ病を改善しようとする場合、適度な運動を日々の生活に取り入れることは、一般に考えられているよりもさらに効果的である。野生動物などを見ればわかるように、自然の産物としての人間の体は、日々一定量の活動をすることを前提として作られており、運動不足が種々の弊害をもたらすことは周知の事実である。運動不足が代謝の不活発を招き、肥満や糖尿病、心臓や循環器系の病気へと結びつくということは、日々メディアなどでも散々と取り上げられている。

 

身体活動・運動不足 | 生活習慣病とその予防 | 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会

 

しかし、適度な運動はまた、精神神経系の機能向上にも大きな役割を果たす。軽い競技スポーツなどを行った後の心地よい爽快感は、誰しもが経験したことがあるものであろう。運動によって筋肉を動かすことにより、全身の血液循環が改善されると同時に、大量に取り込まれた酸素が脳にも運ばれ、気分の高揚をもたらすのである。

 

さらに例のモノアミン仮説から見ても、適度な運動は理に適っている。セロトニン神経系はリズム運動によって活性化されるという声質を持っているからである。

セロトニンを増やすために。脳におけるセロトニン神経を活性化させるには | メディカルノート

よって、一日に10~30分ほどのリズム運動を行うだけで、わざわざ多くの危険な副作用を伴う処方薬などを用いずとも、ごく簡単にセロトニン神経を強化し、うつ病から抜け出すことが可能になるのである。

 

運動といっても様々な物があるだろうが、基本的に走り込みや機械を使った筋力鍛錬など、肉体を過度に酷使させるものはおすすめしない。競技で勝つために限界まで体を鍛えるというのならともかく、一般人が健康効果を享受する目的でそのような運動を行うことは、体を痛めるなどの弊害こそあれ、あまり実りある結果をもたらすわけではない。もっとも簡易でおすすめできるのは、やはり歩行運動であろう。ただ歩くだけなら特別な障害がない限りは誰でもできることであるし、体に過剰な負担をかけることもなく、また、費用も全くと言っていいほどかからない。

 

うつ病の予防に週1時間の運動 ウォーキングは気分を明るくする | ニュース | 糖尿病ネットワーク

 

より良い効果を得るためには、少しだけ普段よりも早く歩くことを心がけるとよいであろう。もしいま現在部屋から出ることもできず、まったく運動をしていないという方であれば、まずは一日に5~10分程度から始めて見るとよい。そして、一日やったらもう一日は休んでも良い。体力というのは少しずつ長期的な視点で刺激と休息を繰り返していくことでついていくものであるから、まずはできる限り始めの敷居は低く設定しておいて、慣れてきてから時間や距離を伸ばしていくとよいであろう。最終的には一日に30~40分ほどの運動を毎日続けられるようになれば十分である。

 

さらにできる限り午前中の太陽の下で歩くようにするとよいであろう。睡眠の改善の項でも述べたように、太陽光にもまたセロトニン神経系を賦活させる効能があるから、歩行運動との相乗効果を望むことができる。

 

 

さらにもう一つおすすめできるのは、自転車である。特にダイヤモンドフレームと変速機を使ったスポーツ用自転車は、驚くほど速度が出る上に、非常に軽く漕ぐことができ、かなり広範囲を無理なく移動することができる。自転車を漕ぐことを楽しんでいる内に50km、下手をすれば100kmを漕いでいたなどということも稀ではない。交通費を節約できる上に、様々な場所の景色を堪能しながら走ることができるので趣味としても楽しい。体に対する負担は走り込みはるかに軽いが運動強度は歩行よりも高く、無理なく続けられる運動として最適である。

 

初期投資としていくらか元手が必要になってしまうことが難点だが、物自体の耐久性に加えて、節約できる移動費や得られる健康増進効果を考えれば、十分過ぎるほどに元が取れると言えよう。さらに後述するように最近では自転車でそれなりの小遣いを稼ぐことも容易なので、時間さえあれば先行投資を遥かに超える分の収入をもたらすことも可能である。

  


 

 

いずれにせよ運動に関しては、自分が無理なく続けられるものを選び、それを今現在できる最低の強度から始めて、ある程度の長期間持続していくことか大切である。適切な運動を続けるならば、部屋の中に居続けて、わだかまっていた思考が以外にも簡単に解けていくのを体験することができるだろう。