うつ病を治すための個人的方法

個人的経験からうつ病の効果的な治し方について解説していく。

食事の改善について1

人間は食べたものからできている。これは単純明快にして普遍の真理である。適切な食物は人間の健康な身体を形作るのみならず、心理的な安定にも大きな役割を担っている。人間の精神面を司る脳や神経系を正常に動かす数々の物質もまた、日常的に摂取している食物から作られていることを考えれば、これは当然というほど当然の理屈だろう。もし体にも神経系にも適切な栄養が供給されず、不摂生な食事ばかりを続けていると、その人間は自制を欠き、少しのことでいらだち、他者を率先して攻撃することで満足を得るような粗暴な人間へと変わっていってしまうだろう。

 

少し昔に、「スーパーサイズ・ミー」というドキュメンタリー映画があった。監督自身が実験台となり、某有名ファストフードチェーン店の食事のみで一ヶ月間生きるという趣旨の企画であったが、実験の後半では、彼の体重が10kg以上増えたのみならず、心身ともに様々な疾患の徴候が現れ、躁うつ病まで発症してしまった。このような事例からも、間違った食生活がいかにうつ病の原因に直接的に結びついているかがよく分かるだろう。

 

スーパーサイズ・ミー

スーパーサイズ・ミー

  • メディア: Prime Video
 

 

食事について考える時大切なのは二点、すなわち、食べるべきものを食べることと、食べるべきでないものを食べないことである。企業が利己的な利益のために消費者の健康を食い物にすることが、大した批判にもさらされず大々的に行われてしまっている現代の社会では、この双方を実践するのは相応の正しい知識と日頃の自制を問われることになる。

 

ここで私達の生活の周辺にある食物についてよく観察してみよう。たとえばコンビニエンスストアに入ったとする。そこで目に入るのは、砂糖やカフェインを大量に使った清涼飲料、ほぼ純粋な炭水化物に油や砂糖をまぶしただけの菓子類の数々、砂糖まみれのパン、これまた純粋な炭水化物と揚げ物だらけの弁当など、まともに人間に必要な栄養が取れる食事を見つけることは不可能と言ってもよい。外食チェーン店も似たようなもので、過剰な脂、砂糖、獣肉を使った冷凍食品をそれらしい写真で見せ、いかにもそうした食品を消費することに幸福が詰まっているかのような印象操作を行っている。

 

資本の側が、本来人間にとって控えるべき食品であるはずの砂糖や油、過剰な獣肉を使いたがるのは、それが自然界では珍しい高い熱量を凝縮した食品であるがゆえに、飢餓に備えるという生物的な本能を持った人間にとって麻薬的な快楽を与えるからだ。もしあなたがこのようなことを知らず、現在までそのような商品を日常的に消費していたのだとしたら、あなたは気づかないうちに金と健康を搾取されていたということになる。

 

それでは一体私達はどのような食品を食べ、どのような食品を避けるべきなのか。その指針は以下の通りである

 

食べるべきもの

  • 全粒穀物
  • 豆類
  • 緑黄色野菜
  • イモ類
  • 種子(ナッツ)類
  • 魚類
  • 乳製品
  • わずかな量の鶏肉、獣肉

 

避けるべもの

  • 砂糖
  • 精白穀物のみの食事
  • 過剰な油類
  • 過剰な塩
  • カフェイン
  • 食品添加物
  • 加工食品
  • 過剰な獣肉

基本的に食物について考える時、何が自然で何が不自然であるかということをよく見極めて、食べるべきものとそうでないものを峻別するのが望ましい。人間の本来の食性に合わせてなにをどのような割合で食べるのが良いのか、そして何が自然界に食物として存在していて、なにが存在しないのか、そうした考察を深めていくことによって、人間の健康にとって相応しい食生活というものも見えてくるのである。

 

それでは次回以降はより具体的な食物の選び方について述べていく。