うつ病を治すための個人的方法

個人的経験からうつ病の効果的な治し方について解説していく。

うつ病は甘えなのか

前回の記事で抗うつ剤にまつわる巧妙な市場戦略について書いた。

精神科には絶対に行くな!ー抗うつ剤その他、精神医療系薬剤のの危険性について - うつ病を治すための個人的手法

 

では、私は世間で紋切型に叫ばれるように、「うつ病などという病気は存在しない」「うつ病は甘えだ」と思っているのか。答えはNOだ。

 

この手の人間は、「そんな病気は昔は存在しなかった」「現代人が恵まれすぎていることが原因だ」などとしたり顔で叫ぶ。しかし、歴史を紐解いてみれば、病的な感情鈍麻や人間的な能力の停滞、持続的な自殺企図などをともなう精神的な病気は古代から一貫して記録され続けていることがわかるだろう。古代ギリシアヒポクラテスは、すでに2500年前の段階で「メランコリア」というまさしくうつ病そのものの病状を記録しているし、その概念はアラビアを通して中世の西欧にも伝わり長く分析の対象となってきた。一方東洋医学でも「気鬱症」というのは、人間の治癒力を妨げる根本的な病状として治療の対象となっている。

 

特に幼稚な根性論と集団主義が幅を利かせるこの国では、個人に関するありとあらゆる事情は黙殺され、どのような被害を受けても「自己責任」の一言で片付けられてしまう。幼少期や思春期における執拗ないじめや、いわゆるブラック企業による人間の生理的限界を超えた搾取などで心身の調子を崩してしまう人も無視できないほどいるであろう。弱者のスティグマを負ったものを集団で罵倒し、死ぬまで叩き続けることが当たり前のように容認されているこの社会では、一度そのような状況に陥ってしまえば再起不能になるまで人間としての尊厳を破壊され、挙げ句には終わることのない自責の念から自殺に至ってしまうことも考えられる。

 

必要のなのは精神科医による危険な薬物投与でも、根性論による人格否定でもない。失った健康を取り戻し、再び自分自身の人生を取り戻すための具体的で合理的な方法論だ。次回からは私が長年の試行錯誤からたどり着いたいくつかの療法について、できる限り体系的に記述していこうと思う。